「真田太平記」は、池波正太郎さんの代表作の一つです。
全12冊からなり、真田昌幸-信之、幸村兄弟の2代に渡って、戦国の世を生きた人々の姿が描かれています。
小説は、武田家滅亡の寸前、現在は桜で有名な高遠城を、織田の軍勢が攻め滅ぼそうとしている最中から始まります。
その後、真田昌幸が豊臣家に仕えることとなり、関ケ原の戦い、紀州九度山での幽閉、昌幸の死、大阪夏~冬の陣での幸村の死を経て、太平の世を迎え、長男でありながら徳川家に仕えた真田信之が、上田の地を離れ、松代に移るまでを描いた長い物語です。
主人公は真田家の3名なのですが、物語の最初から最後まで登場する、女忍びのお江の存在感が半端ないです。
また、関ケ原の戦い、大阪夏の陣、冬の陣の描写も臨場感に溢れていますし、真田家以外にも、加藤清正や甲賀忍び等のエピソードもたっぷり盛り込まれています。
池波正太郎さんの小説が好きなのは、偉人だけではなく、市井の人々、戦国時代で言えば、足軽や名もなき忍びのようなキャラクターを、愛情をこめて描いているところなのです。
この信州の地に住んでいると、前に紹介した「武田信玄」もそうですが、縁の地を訪れることによって、より小説がリアルに感じられます。
そんな上田市には、池波正太郎「真田太平記館」があります。
館内は、真田太平記に関する展示や、名場面再現VTRの放映があり、池波ファンならばきっと
楽しめると思います。
また、上田市は、上田城跡を始め、真田幸村・・・真田十勇士を観光の目玉にしているもようです。
最近は戦国モノのゲームも流行っているようなので、ご興味のある方は少し足を伸ばして訪れてみるのも良いのではないでしょうか?